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提案要旨

 

低年齢児保育の食事・栄養

 

藤沢良知(実践女子短期大学部長・教授)

 

1."食"の意義と役割
乳幼児は心身の発育・発達が著しいが、摂食能力、消化吸収機能、代謝能力は未熟で抵抗力も弱く、しかも個人差が著しいので十分な配慮が大切である。また、望ましい生活習慣、食習憤の素地のつくられる時期であるので食事指導やしつけにも配慮したい。

 

2.低年齢児保育のねらいと食事
保育所保育指針では、3歳未満児については、6か月未満、6か月〜1歳3か月、1歳3か月〜2歳未満、2歳児の4区分で保育のねらい、内容、配慮事項が示されている。食事に関しては、発育・発達の個人差尊重、授乳や食事上の注意、咀嚼や嚥下の発達を促すための食品の調理形態の配慮、噛むことの大切さが身につくような配慮、清潔習慣等発達段階に沿って身につくよう配慮したい。

 

3.子どもの食事・気がかりなこと
最近、子どもを取り巻く食環境は大きな変容を遂げ洋風化、簡便化、加工食品の増加などで、健康への影響も大きく、子どもの成人病予備軍の話題も多くなっている。幼児にとって成人病は遠い先の話しではない。生活習慣病といわれるが幼児期からの健全な食習慣育成が基本になる。特に幼児期からのバランス食、野菜や魚好きの子どもに育てたい。また、幼児の遊び食い、むら食い、偏食、食べるのに時間のかかる子、小食、よく噛まない、食欲がないなど話題が多いが、親の放任、過保護、甘やかしなどによることが多い。

 

 

 

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